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Dick Van Straalen 6'2 Twin Flyer Pin EPSインプレッション

”ツインは難しい”というイメージは完全に過去の遺物と化した。

勿論40年前に作られたツインフィンに乗れば確かにそうだろう。

しかしその頃からボードの素材やデザイン、

フィンのフォイルや取付位置など全ての要素が進化している。

それを体感せずに過去の経験や伝聞などを鵜呑みにして

訳知り顔で語っているのであれば、それはもう改めた方が良い。

私はツインフィンのボードが好きで良く乗っているのだが

特にそういう事を強く感じさせられるのがこのボードである。

 

今回はツインフィンの歴史などについては割愛するが

従来のシングルフィンよりも更なるパフォーマンス性の為に

ツインフィンが登場した事実がある。

その後一度はサイモン・アンダーソンが完成させたトライフィンに駆逐されるが

オルタナティブボードのブームと共にツインフィンも復活。

現在のツインフィンはトライフィンと同等の安定性を兼ね備え

ボトムを流れる水の量や速度をトライフィンより上げやすい利点がある。

そういう意味ではトライフィン以上の性能を発揮できるのが

現代ツインフィンの特徴になる。

 

私がTwin Flyer Pinモデルで注文した長さは、

以前使用していた他ブランドのツインフィンと同じ6'2。

それ以外の幅や厚みはDVSが決めるので

私は注文するボードの要望のみに集中できる。

以前使用していたツインフィンも性能は高いのだが

いかんせんチューブの中での安定性に欠けやすい欠点があった。

そのボードも有名シェイパーが削った物なのだが

今から15~20年前に作られた物なので

ツインフィンに対する熟成度がまだ不足していたのだ。

なのでその部分の改善と、

パドルや浮力感の改善の為に素材をEPSに指定した。

オルタナティブボードの世界でEPSはあまり馴染みがないが

DVSはこの素材の取り扱いに長けており

私は何の心配をする事も無くオーダー内容を決定した。

それから四か月が経ち、コロナウイルスの影響でボードの発送が遅れたが

無事私の元にカスタムオーダーしたTwin Flyer Pinモデルが到着した。

 

ボードを持っての印象だが、意外と幅がありデッキはフラット気味。

ノーズロッカーは普通だがテールロッカーは程よく引き上げられている。

コンケーブはノーズ直後から入っているが全体にかなり広く深い。

テールはややピン気味のラウンドピンテールで

レトロなシングルフィンの様なウイングがかなり鋭く入っている。

そしてボトム面のカラーリングが素晴らしく美しく

EPSボードであっても仕上がりの良さはポリと全く変わらない。

DVSの領域まで来ると個々の要素を分析しても意味が無いので

さっそく試し乗りをする事に。

 

初乗りの波は風の影響でよれたビーチブレイクの一般的なタイプ。

波質もそれほど良く無く、”まずはパドルの具合でも...”と

さほど期待をしなかった。

しかし一本目の波からいきなり乗れていきなりリッピングも出来てしまう。

これこそがDVSが作るサーフボードの真骨頂なのだ。

この原因を考えるが、ボードと完全にマッチした付属フィンと

シングルから入る深めのコンケーブが軽量なEPS素材を浮かせやすい事が

乗った印象から推測される。

EPS素材はPUと比べると少し固いのだが

それも最初の1Rで他のボードと同じように慣れてしまい

2R以降は全く素材感を意識することなくサーフィンが出来る。

インプレッションをテイクオフ後に焦点を合わせると

フィンがレールサイドに近いので反応が良いのは勿論だが

テールのウイングがさらに反応を高めており

極端な話、目線だけでターンやリッピングが出来てしまう。

肩がショルダー側に向けば板は勝手に上がり

ボトムがリップに当たれば板は勝手に返る。

レールをショルダーにセットすれば板は勝手に加速し

目線を後ろに向ければ板は勝手にカットバックする。

この板に乗るとサーファーの意識のみでサーフィンを行う事が可能であり

それはハルスタビーなどの感覚に非常に近い。

アクションの切れ味も完全にショートボードと同じで

波待ちの際の板が沈み込む位置がへそなのだが

同体重で胸やみぞおち辺りまで沈み込む浮力の少ないボードと同様の動きだ。

そしてフルエッジ化されたボトムによりチューブ内の安定性も問題無い。

すなわちこのTwin Flyer Pinモデルに乗ると

一般的なショートボードの存在意義が完全に失われる。

 

このモデルは全てのサーファーにお勧めするが

特に現在伸び悩んでいるショートボーダーや

ショートボードからサーフィンを始めて

現在は別のボードに乗っている人に強く推奨したい。

今までの自分が何だったのかと思うくらい

一気にレベルアップする事は確実である。

サーフィンの楽しさは良いボード選びから始まるのだが

DVSはまさにそこへ焦点を当てて作られているブランドである事がわかるだろう。

 


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