営業車をレガシィツーリングワゴンTA-BP5 2.0GT 5MTに変えて一か月が経ったが、その間に感じた事などをまとめておきます。
どんな車か?
レガシィとは戦中の中島飛行機株式会社を基礎として誕生した富士重工業株式会社(現スバル)が、バブル景気に乗れなかったピンチを打破する為に起死回生の一撃として製造販売した車種。ボディータイプはセダンとワゴンがあり、型式TA-BP5はワゴン四代目の前期、水平対向4気筒EJ20エンジンDOHC版のNAとターボの2グレードがある。
ターボ版には17インチホイール搭載の2.0GTと、18インチホイール&ファイナルがショートな同スペックBがある。3代目営業車はノーマルの2.0GT。
BP5の良い所
速い!
280PS+MT+車重1,430kg。
遅い訳が無い。
オイル漏れだのメタル流れでブローだのと散々言われたEJ20だが
ターボとのマッチングはまさに鬼に金棒。
3000rpmからはターボラグなど一切無く、
トルク感を帯びたままレブリミットの7500rpmまで踏んだだけ回る。
1速は伸びが悪く2速は110km/hまで出るので
下道でレブに入る機会は無い。
便利!
天候に走行性能を左右されにくいAWD、
ボタン一つで格納できる後部座席、
リクライニング時にヘッドレストを取ればフラットになる後部座席と助手席。
(トヨタやマツダはこれが出来ない)
荷室の大きさは前述のようにシートをフラットにすれば、ロングボードも中積み出来る。
積載量お化けの240よりは勿論劣るが、むしろ空きスペースが無い分荷物の積込が早くなった。
燃費が良い!
AWDと無駄なスポーツ性能の為
”とにかく燃費が悪いスバル”として有名だが、
この2.0GTは真夏のエアコン全開時でも下道で12km/L、高速で15km/Lは走る。
何の事はない。とにかくタービンを回さないように5速巡行すれば良いだけだ。
勿論今のエコ&ハイブリッドカーに比べれば落ちるが
280PSのターボ車なら十分と言える燃費性能。
これがスペックBだと重量増とファイナルショートの影響で、カタログ燃費で1km程落ちる。
超絶レアな水平対向6気筒エンジンを搭載した珍車扱いの3.0R(BPE)だとさらに燃費が落ち、
あろうことかATの方が燃費が良い。
BP5はMTの方がATより燃費が良い最後の世代であろう。
購入後暫くは、土砂降りの中でも嬉々として筑波山に行く位は走り込んだ。
BP5での初サーフィンは平井へ。
荷物ぎゅう積みに見えるが、基本一人なので全く問題無い。
ヘルメットと手袋を購入して、サーキットデビューもした。
この後暫くはジムカーナデビューとかも考えた。
後はリミッターカットとか車高調取り付けとか。
しかしBP5導入後一か月ほど経過し、
使い方が大体一巡りしてから思う所も出てきた。
BP5のダメな所
デュアルマスフライホイール(前期)
BHからBPに変った際に何か変わった事をしでかしたろかと思ったのか
デュアルマスフライホイールをDOHC車に導入したのだが、
これがとにかくタッチが分かりにくい。
ゼロ発進時のミートのタイミングでグニュッとしたタッチがあるが、
やがてすぐに消失する。
なのでクラッチをそのまま繋いで良いのか
アクセルをもっと踏み込んだ方が良いのかの判別が困難である。
シフトアップ時にクラッチを切ってから戻す際も繋がった感触が分からない。
スバルが後期型でしれっと普通のフライホイールに戻したのが
全ての答えだろう。
尚、前期型でもクラッチOHのタイミングで社外や純正流用などの
普通のフライホイールを搭載する事は可能。
営業車はご丁寧にデュアルマス→デュアルマスの交換がされてたので
運転時にドライビングシューズを履く事で対応中。
電スロ
これもBHからBPに変る際に吸排気の取り回しを最良にする為、
吸気系はワイヤーを排した電子スロットルになり
排気系は等長のエキマニを採用してボクサーサウンドが消えた。
この電子スロットルを介したアクセルペダルの反応が不安定。
冷間時はエコモードを切らないとただでさえ少ない低速トルクが皆無になり
エンストの嵐と化す。
この記事のタイトル名のオマージュとなったいまさらレガシィ氏の記事では
アクセルペダルを交換すれば改善されるとの事。
劣化しやすい内外装
開発時にとにかく軽量化に命を懸けたせいか、
場所によっては耐久性を微塵も考慮されない材質が使われている。
中古イタ車の内装パーツのベトつきは有名だが
BP5のダッシュボードはそんなん比じゃないくらいに
豪快にベトつきかつ割れている。
そのベトつき具合はもう蠅取り紙か!?ちゅー位なので、
ティッシュで拭こうものなら目も当てられない惨状になること間違いなし。
幸いにもダッシュマットが格安から販売されているので
設置すればとりあえず現実から目を背けられる。
外装もグリルやターボの吸気口、リアスポイラーなどの樹脂パーツの
クリアは弱いし、ヘッドライトも概ね黄ばむ。
ヘッドライトに関してはガラス廃止後の全車種が同様だが、
車検での検査項目が厳しくなるとの話なので対策が必要だろう。
これからの方針
走りに振るか否か?というのが一つの大きな分かれ道だと思うが
走りはWRXには勝てない
素の性能+チューニングの上限も全てが上回っている。
B4であってもやっぱり車重が重いでしょう。
ミニサーキットでは86&BRZ以下が速い
インフィールドエリアになるとBP5は重くて、
峠でも味わえないくらいのロール祭りとなる。
車高調付ければ改善されるだろうが
タイヤ代なども含めてどこまで金をつぎ込めるかのチキンレース?
サンルーフが付いてる
せっかくパワーウェイトレシオが良いグレードなのに
何してくれちゃってんの?という重量増な装備。
もろに腰上が重くなるし灼熱の現在ではオープンにする機会は皆無。
これらの事を加味すると、
今の営業車の状態から
純粋にブラッシュアップしていく事が
最良の道なのでは?
と思ったりもする。
なんせこの車体は新車時からの点検記録簿がほぼ継続している。
そこには歴代オーナーの執念にも似た思いを感じる事が出来る。
それをただ乗り潰すのは忍びないが、現状を正しく把握する事も大事。
という事でまずは12か月点検に出してみよう。